交配の実際

子犬を産ませるためには交配が不可欠です。ここでは交配にはどんな種類、方法があるのか、交配相手の探し方や、交配を依頼する時の注意など、交配に関する実践的な部分を公開します。

交配の種類

交配にはまず「自然交配」(犬同士で自然に交配させること)と「人工授精」(オス犬から精液を採取し、メス犬の膣内に注入する方法)があります。

オス犬、メス犬ともに所有している場合は、どちらの方法でも自宅で交配させることができますが、メス犬のみを所有している場合は優秀なオス犬所有者に交配を依頼することになります。

また、逆にオス犬(種オスとして)を所有し、メス犬を預かり交配させる場合があります。

私の場合、当初はまだオス犬が種オスとなることが出来る年齢(生後9ヶ月と1日以上)に達していなかったこともあり、先輩ブリーダーの方に交配を依頼(お預け)しました。

通常、メス犬が出血してから12〜14日の間が交配に適しているとされているのでその間に交配しますが、期間中一度だけではなく、より確実に妊娠させるために2回から3回交配させます。

ただ、基本的にオス犬は発情したメス犬に興奮すればいつでも精子を作ることは出来ますが、1日に何度も行うと濃度が薄くなるといわれるので、すばらしい種オスの血統をしっかり受け継ぐためには毎日交配させるのではなく、1日あけて行う方がいい精子が得られるといいます。

ですから、遠方から依頼する場合などは1週間〜10日ほどお預けする場合もあります。

交配相手の探し方

ブリーダーとしての使命は「犬質・犬種の向上、いい子犬作ること」です。いいメス犬、いいオス犬ともに所有していればいいのですが、メス犬だけを所有の場合、このお婿さん探しは重要なポイントとなります。

選択の時、もちろんチャンピオンという称号があるということはいい犬の目安になることには間違いありませんが、ただチャンピオンだから、というだけでなく、血統(ライン)を考え、お互いの欠点をカバーしたよりすばらしい子犬、よりスタンダードに近い子犬が生まれるような相手を選ぶことが必要です。

そのためにはブリーダー同士のネットワークが最も有効です。私も、最初は先輩ブリーダーの方に種オスを探していただき交配を依頼しました。また愛犬雑誌の広告や、インターネットでの情報を元に探すことも最近では有効な手段です。

交配依頼時の取り決め

種オスを所有しメス犬を預かる場合、またメス犬を所有しオス犬のところへ預ける場合どちらにしても事前の取り決めをしっかりしておかないと後でトラブルの元になります。

基本的に交配はオス犬のところで行います。交配を依頼するメス犬所有者が連れて行くわけですが、料金(子返しか交配料か)、妊娠しなかった場合の取扱い(2回目に限り無償で交配するとか)、交配の回数、預ける期間はどれくらいか等、事前に取り決めが必要です。

私の場合、妊娠しなかった場合は無料で次回も交配していただけるということになっていましたが、無事妊娠しましたので問題ありませんでしたが、このトラブルは多いようです、心配であれば取り決めの段階で第3者に証人になってもらうことも有効です。

発情時のメス犬の変化

まず一番分かりやすいのは陰部のふくらみと出血。そして毛艶がよくなります。オス犬を一緒に飼っていると、もうすぐ発情がきそうな時から反応(メス犬を追いかけたり、マウントしたり、メス犬を追いかけたり・・・)してくれるのでとても分かりやすいです。

私の場合はオス犬の反応や、ブラッシングする時に妙にコートがきれいになってくることで「もうすぐ発情がきそう」だと気付くことができます。だいたいオス犬が反応を始めてから2〜3日のうちに出血が始まります。

交配前の準備

長毛種の場合、陰部のあたりが汚れ、不衛生になるので毛をカットしておきます。また、混合ワクチンの接種、寄生虫の駆除をしておきます。母犬をとおして子犬に感染させる恐れのある病気に対しては事前に予防、駆除が必要です。また当日、メス犬は食事なしで、排尿、排便をすませておくこともエチケットのひとつです。

自然交配

同じスペースにオス犬、メス犬を入れ自然に交配させる方法。オス犬がメス犬の背後からマウントし、ペニスを挿入しうまく射精できると向きをかえ、お互いのお尻をつき合わせるような結合状態となり、そのままの姿勢で10分〜30分じっとし、その後離れ交配が終わります。

結合時間が長いのは、より繁殖を確実にするため、犬が長い歴史の中から得た方法だと言われていて、自然交配で完全に結合していれば妊娠する確立はほぼ100%(どちらの犬にも身体的な異常がなければ)です。

もし交配してもメス犬が受け入れしないということは、性格的に合わないか、まだ妊娠可能期間になっていないということです。妊娠可能期間になるとメス犬はお尻の辺りを触ると尻尾をどちらかに向けオス犬を受け入れます。その反応を見ることでもメス犬が妊娠可能期間かどうか判断することができます。

でも最近では人間に溺愛され育つ犬が多いので、人間なしではうまくできないこともありますので、早く、確実に交配させるためにオス犬、メス犬を押さえて(保定して)行います。途中で動いてしまってはせっかくの交配がダメになってしまいます。また交配時はメス犬、オス犬共に興奮状態です。十分注意して犬を保定しないと危険なこともあるので、口輪をしようすることもあります。

交配後は精液が逆流してくるのを防ぐためにメス犬に激しい運動をさせないよう注意が必要です。



  • 次回の更新は人工授精の方法です。
  • 人工授精に必要な道具一式の紹介もしていく予定です。